構築フェーズの4つの工程
製品の選定が終わっても、プロジェクトは半分も終わっていません。構築フェーズには次の4つの工程があり、ここで決めた仕様は公開後も長く使い続けることになります。
- 情報設計・テンプレート設計:サイト全体の構造とページの雛形を定義する
- 権限・承認フローの構築:誰が何をどこまでできるかを実装する
- コンテンツ移行:既存サイトのデータを新CMSへ移す
- 公開前後の確認・運用立ち上げ:本番公開の最終チェックと初動体制
情報設計とテンプレート設計
ここで決め切れていない部分は、後続の工程で手戻りの種になり得ます。コンテンツの種類ごとに必要な項目(タイトル、本文、公開日、メタ情報、絞り込み用の分類など)を定義し、テンプレートは再利用性・入力のしやすさ・共通部分の一元管理を原則に設計します。
この工程の各論——入力方式の選び方、テンプレートの命名、共通パーツや項目の設計——は、別シリーズのCMS設計の実務指針(全8回)でまとめて扱っています。構築フェーズに入る前に一読しておくと、設計の議論の土台になります。
権限設計と承認フローの実装
権限は「管理者・編集者・作成者・閲覧者」のような階層で整理する方法があります。承認フローで注意したい問題は、多忙な承認者のところで更新が止まることです。代理承認の仕組みや、コンテンツの重要度に応じたフローの分岐を、実装前に設計へ含めておきます。
現場の実態に基づかないフローは、公開の速度を落とし、形骸化しかねません。「今の業務で実際に誰が確認しているか」から逆算する考え方が安全です。
コンテンツ移行
移行作業は、対象の量が多いうえに、機械的に済ませられない判断が混ざるため、工数を見積もりにくい工程です。
URLの対応表を早期に作る。 URL構造が変わる場合、旧URLから新URLへの301リダイレクト設定が正確でないと、これまでの検索評価を引き継げなくなります。旧サイトの全URLを抽出し、1対1の対応表を構築の早い段階で作成します。
アセットを整理する。 画像やPDFは、移行を機にファイル名の規則を整えると、公開後のファイル管理がしやすくなります。
移行の範囲に優先度をつける。 全ページを同じ品質で移行しようとすると、計画に無理が出やすくなります。主要ページを丁寧に移行し、残りは機械的な移行やアーカイブにするなど、範囲と品質の割り切りを先に決めます。
公開前後の確認
公開直前:リダイレクトの全パターン動作、メタ情報の全ページ反映、検証環境と本番の表示差異を確認します。
公開後:サーチコンソール等でリンク切れ(404)の発生を監視し、検索インデックスの状況とサーバー負荷を確認しながら、運用の初動を固めます。公開してからしばらくは、この監視を運用の一部として続けます。
実際の移行検討で出た質問と回答は検討リファレンスに、権限や承認まわりの製品側の具体はCMS機能の紹介にまとまっています。この記事の一般論の先を確認する材料として使えます。








































