このブログは、自社のCMS「writeWired」のサイトを、AIと一緒に作り直してきた記録です。この記事の作業は、2026年9月3日から7日にかけて、ChatGPTとClaudeの二つのAIと進めました。

やりたかったこと:Googleが何に反応するのかを、観測したい

事実は積んだ。検索からのアクセスは、まだ少ない

writeWiredのサイトは、この夏、中身を「確認できる事実」だけで作り直してきました。土台は、管理画面の機能を1画面1ページで説明したページです。社内では機能リファレンスと呼んでいます。売り文句を入れず、その画面で何ができるかだけを書いています。その上に、FAQや導入事例、使い道ごとの案内ページを載せてきました。

正直に書きます。ここまで積み上げてきた事実のページに、検索からのアクセスはまだ多くありません。

事実だけで書く方針が検索に向いていないのか、単に時間が足りていないのか。それはまだ分かりません。一方で、このブログのある記事が、公開直後に検索のAIの回答に引用される、という動きも見ています。Googleが何に反応するのか、こちらにはまだ観測が足りていませんでした。

だったら、観測の材料を増やせばいい。そう考えました。検索からの流入が少ない今なら、ページを足したときの違いも比べやすいはずです。

ただし、言い過ぎは足さない

アクセスが欲しいからといって、言い過ぎを盛るのは無しです。書いてあることが事実かどうかは、このサイトの一番の決めごとなので。

困ったのは、ここでした。検索で反応を見るなら、表現も、見出しの言葉も、文章の長さも、いろいろ試したい。でも、自由に書けば書くほど、事実から外れる心配が増えます。

こうやってみた:機能リファレンスを「柵」にして、その内側なら自由に作る

書いてよいことの境界は、もう引いてあった

あるとき気づきました。うちには機能リファレンスがあります。書いてよいことの境界は、ここに全部引いてある。

つまり、柵があるのです。機能の言葉は機能リファレンスに、実績の数字は公開している導入事例に、それぞれ書いてあります。この公開済みの事実(機能リファレンス・FAQ・導入事例)を柵にすれば、その内側なら、表現も、デザインも、文章量も、どれだけ遊んでも事実からは出ません。柵の外の言葉や数字を使ったら、照らせば分かります。

決めごとは、こうしました。

  • 語と数字は、機能リファレンス・FAQ・導入事例の公開ページで確かめられるものだけ。機能の名前は機能リファレンスで、数字は導入事例で確かめる
  • 表現、構成、デザイン、文章量は自由。型をそろえない
  • 効かなければ消す

置き場として、サイトに /lp/ という場所を作りました。ふだんの使い道ごとの案内ページとは別の場所です。LPというより、放牧場です。

性格の違うLPを、7本放した

LPの原稿とページは、Claudeが書きました。どんな型を試すかは、主に私が決めています。最初の1本は、Claudeが同じ原稿から型の違う3本を作り、私がその中から選びました。ChatGPTからは、同じ事実から別の生き物を作り、品定めせずに全部放して、Googleと人に選ばせる、という考え方が出ました。私たちはその線で進めました。

放したのは7本です。わざと性格をばらしました。

号 型 どんなページか
1号 広告ポスター型 濃紺の帯に大きな字で「CMSだけでは、足りなかった。」
2号 Webカタログ型 白ベースで機能を章立てに整理
3号 SEO記事型 見出しに検索語を盛れるだけ盛った、あえて凡庸な作り
4号 営業型 「Web運用のすべてを、これ一つで。」と言い切る強い表現
5号 長文全体説明型 writeWiredの全体を1枚で説明する約5,600字
6号 問いだけ型 「CMSだけで足りますか?」など、問いを7つ並べただけ
7号 全事実集約型 機能リファレンス142本・FAQ110問・事例20本を全部載せた約6万字の1枚

7号だけは、作る途中で狙いを変えました。5号を作ってみると、全体を説明するページになり、私が試したかったものと違いました。試したかったのは、公開している事実を1ページにできる限り集めるとどうなるか、です。そこで私が、要約しない、文字数を制限しない、「長すぎるから削る」はしない、という決めごとで7号を足しました。

同じ事実から作った、別の生き物たちです。

柵が働いた例:「セミナー機能」と、数字の照合

作っている間、柵は何度も働きました。ここでは二つだけ挙げます。

語:「セミナー機能」とは書かなかった

1号の比較表に「セミナー機能」と書きたくなりました。セミナーの申込みを受けて、その後の案内まで回したい、という使い方はよくあります。

ところが、機能リファレンスと照らすと、その名前の機能はありません。実際にあるのは、申込みを受けるフォームと、その履歴の機能です。だから見出しは「セミナーなどの申込みと、その履歴」に丸めました。

2号でも、同じ照らし方で、機能リファレンスで確かめられなかった語を外しています。「多言語」「繰り返し配信」などです。製品の中に仕組みがあるとしても、機能リファレンスに書いていないなら、先に機能リファレンスに足してから戻す、という順番にしました。

数字:公開情報にない数字は使わなかった

4号の営業型では、ページに大きな数字を三つ並べました。言い切る型なので、数字の強さが要ります。そのぶん、数字は全部照らしました。

最初の案には「8業界」がありました。公開している導入事例の業界の数で、柵の内側の数字です。それでも、事例ページの分類の結果なので、事例が増えたり分類を変えたりすれば変わります。私は、柵とは別の理由で、これを外すと決めました。

代わりの候補として、導入先の会員数とアクセス数の数字が挙がりました。記憶をもとに出た数字で、この時点で誰も確かめていません。Claudeが公開している事例のページを確かめると、その数字はどこにも書いてありませんでした。それらしく見えても公開情報にない数字は、使いませんでした。

結局使ったのは、公開している事例から確認できる三つです。12,000ページ(移行した最大の実績)、1万人以上(ある導入先が管理している構成員の数)、2008年から(提供の開始)。

公開情報にない数字を使いたくなったら、先に事例のページに足してから、LPの数字を差し替える順番です。LPに先に数字を置くと、柵の内側と外側が逆になります。

表現は限界まで強くしていい。でも、語と数字は柵の内側から出さない。遊びが遊びで済んでいるのは、柵のおかげです。

Googleがどれに反応するか、観測する

7本はどれも、機能リファレンスと導入事例と相談窓口へつながっています。入口の性格がどれだけ違っても、出口は同じ事実です。

さて、Googleはどれに反応するでしょうか。淡々と積んだ事実のページか、放牧した遊びのページか。予想はありますが、書きません。予想を書くと、観測がつまらなくなるので。

数字が出たら、この続きを書きます。この記事を書き直している時点では、続きはまだ書いていません。

今回の作業で分かったこと

AIに自由に書かせるなら、先に「書いてよい範囲」を固定する

7本の文章は、どれもClaudeが書きました。ポスターのような一行も、検索語を詰め込んだ見出しも、6万字の1枚も、同じ事実から作れました。表現を自由にできたのは、書いてよいことの範囲が、公開済みの機能リファレンス・FAQ・導入事例という形で先に決まっていたからです。範囲が決まっていなければ、型を変えるたびに、どこまで言っていいかを一から考えることになっていました。

確かめるのは、語と数字

柵が働いたのは、「セミナー機能」という語と、記憶から出た会員数の数字でした。どちらも、文章としては自然で、強く見えるものです。(「8業界」は柵の内側の数字で、変わりやすいという別の理由で外しました。)表現の強さそのものは問題になりませんでした。「すべてを、これ一つで」と言い切っても、その中身の機能が機能リファレンスにあれば、事実からは外れません。照らす対象を語と数字に絞ると、表現を強くしても、確かめる作業は増えませんでした。

公開情報にない数字は使わない

記憶から出た会員数は、公開情報のどこにもない数字でした。たとえ本当の数字であっても、読む人が確かめられない数字は、このサイトでは使いません。先に確かめられる場所に書き、そこから引く。数字を足したいときは、LPではなく、元の事実のページを直すところから始めます。