前回までのあらすじ

この連載では、機能リファレンス・FAQ・導入事例と、サイトの中身を「確認できる事実」だけで作り直してきた話を書いてきました。前回は、その事実をMarkdownに揃えた話です。

今回は、その事実の上で遊んだ話をします。

事実は積んだ。アクセスは、まだ薄い

正直に書きます。ここまで積み上げてきた事実のページに、検索からのアクセスはまだ多くありません。

事実だけで書く方針が検索に向いていないのか、単に時間が足りていないのか。それはまだ分かりません。一方で、Single Source of Truthの記事が公開直後に検索のAIに拾われる、という動きも見ています。Googleが何に反応するのか、こちらにはまだ観測が足りていないのです。

だったら、観測の材料を増やせばいい。そう考えました。

盛るのは、無し。でも柵の内側なら自由

アクセスが欲しいからといって、言い過ぎを盛るのは無しです。書いてあることが事実かどうかは、このサイトの一番の決めごとなので。

ただ、あるとき気づきました。うちには機能リファレンスがあります。管理画面の機能を1画面1ページで説明した、事実の台帳です。書いてよいことの境界は、ここに全部引いてある。

つまり、柵があるのです。柵の内側なら、表現も、デザインも、文章量も、どれだけ遊んでも事実からは出ません。柵の外の言葉を使ったら、それは照合で分かります。

この考え方で、/lp/ という場所を作りました。型もデザインも揃えない。守るのは事実だけ。効かなければ消す。LPというより、放牧場です。

7本、放した

放したのは7本です。わざと性格をばらしました。

どんなページか
1号 広告ポスター型 黒地に大きな字で「CMSだけでは、足りなかった。」
2号 Webカタログ型 白ベースで機能を章立てに整理
3号 SEO記事型 見出しに検索語を盛れるだけ盛った、あえて凡庸な作り
4号 営業型 「Web運用のすべてを、これ一つで。」と言い切る強い表現
5号 長文全体説明型 writeWiredの全体を1枚で説明する約5,600字
6号 問いだけ型 「CMSだけで足りますか?」など、問いを7つ並べただけ
7号 全事実集約型 機能リファレンス142本・FAQ110問・事例20本を全部載せた約6万字の1枚

同じ事実から作った、別の生き物たちです。

柵があるから、遊べた

作っている間、柵は何度も働きました。

たとえば「セミナー」。ページに「セミナー機能」と書きたくなりましたが、機能リファレンスにその名前の機能はありません。実際にあるのは申込みフォームと履歴の機能です。だから見出しは「セミナーなどの申込みと、その履歴」に丸めました。

営業型の4号では、数字を全部照合しました。使ったのは公開している事例から確認できるものだけ。12,000ページ、1万人以上、2008年から。「会員3万人」のような、それらしく見えても公開情報にない数字は、使いませんでした。

表現は限界まで強くしていい。でも、語と数字は柵の内側から出さない。遊びが遊びで済んでいるのは、柵のおかげです。

どちらに反応するか、見る

7本はどれも、機能リファレンスと導入事例と相談窓口へつながっています。入口の性格がどれだけ違っても、出口は同じ事実です。

さて、Googleはどれに反応するでしょうか。淡々と積んだ事実のページか、放牧した遊びのページか。予想はありますが、書きません。予想を書くと、観測がつまらなくなるので。

数字が出たら、この続きを書きます。