このブログは、自社のCMS「writeWired」のサイトを、AIと一緒に作り直してきた記録です。この記事の作業は、2026年8月27日から9月3日にかけて、主にClaudeと進めました。

やりたかったこと:AIに書かせた127本に、あとから機能を足し続けたい

127本は、台帳を「正」にして書かせた

writeWiredのサイトには、管理画面の機能を1画面1ページで解説した「機能リファレンス」があります。7月に127本を公開しました。書いたのはClaudeです。私は機能の一覧を台帳にまとめ、画面を撮り、事実を確かめました。

Claudeはチャットが変わると前の作業を覚えていないので、Excelの台帳を唯一の「正」にしました。Claudeは台帳を更新して版番号を上げて返し、次のチャットにはその台帳を渡します。127本を書き終えたとき、台帳はv97でした。

機能は増える

作って終わりではありませんでした。機能は増えます。8月の終わりから9月の初めにかけて、承認の設定や、会員の詳細、一覧からまとめて操作する画面などが加わり、機能リファレンスを10本足しました。

この10本のために、台帳の版をv97からv106まで、9回上げました。

こうなってしまった:1本足すと、IDから連鎖する

連鎖の芯は、ID

10本で9回になったのは、1本足すと連鎖するからです。

機能リファレンスには、意味のあるIDを振っています。画面の内部の名前を組み合わせたもので、IDを見ればどの系統の画面か分かります。たとえば承認フローの設定画面は flowdm_entry です。ページのURLも、同じ体系から作ります(承認フローなら approval-flow)。

このIDに、ほかのものがぶら下がっています。

  • 関連する機能リファレンスへのリンク(IDを並べて指定する)
  • 製品ページに載せるまとまり(中身をページのURLで指定する)
  • FAQの答えの根拠(どの機能リファレンスに基づくかをIDで持つ)
  • 画面キャプチャの撮影リスト

だから、守るものは実はひとつです。IDの体系が正しければ、残りはついてきます。勘で振ると、全部が一緒に壊れます。1本の追加は、「書く」よりも「既存と辻褄を合わせる」作業でした。

実際に、IDを決めたあとで直すことになった

承認の画面を足したとき、Claudeは画面の内部の名前を確かめる前に、IDの案を出していました。その案のまま登録した承認ルートの設定画面は、IDが実際の画面と合っていませんでした。登録したあとで、そのページのIDと、承認ルートで使うロールの機能リファレンスに張った関連リンクを、更新用のCSVで直しました。

だからこうしてみた:IDの体系を守る作業をAIに任せ、指示は台帳の中に書いた

体系を守り続ける作業は、AIに任せた

この体系を守り続ける作業は、AIに任せました。私が勘で採番するとぶれます。Claudeは、決まりを渡せばその通りに振ります。

IDの決まりは、台帳の列から機械的に作れる形にしてあります。画面を呼び出す命令の名前、画面のファイル名、タブ、派生(一つの画面の中の別の操作)の4つを、決まった順でつなぐだけです。決まりを書いておけば、私のClaude以外のAIでも振れます。人が持つのは、新しい行を立てるかどうかの判断と、IDを台帳で確定させることだけにしました。

指示は、台帳の中にそのまま書いた

AIへの指示は、別のファイルにせず、台帳の中に書きました。

  • 「はじめに(AIへの指示)」シート。台帳を渡されたAIは、ここから読み始める。
  • 最初に聞くこと。対象画面の内部の名前から聞く。承認のIDの件のあとで足した。
  • 影響表。行を立てる前に、既存の機能リファレンスのどれに影響するかを表で出させる。採るかどうかは私が決める。
  • 困ったこと・改善点シート。作業中に迷った点をAIが書き残し、次の版で決まりにする。
  • 作業履歴。いつ、誰が、何をしたかを1行ずつ。

作業する人は、台帳を書き換えません。CSVとスクリーンショットを渡すだけです。台帳を更新するのはAIで、返ってきた版を人が確かめて、ファイル名の版番号を上げます。

承認のIDを先に決めてしまった件も、こうして決まりになりました。Claudeが困ったことシートに書き、次の版で「最初に聞くこと」に、対象画面の内部の名前を足しています。v106は、この決まりの更新だけの版です。

別の担当者のAIに渡したら、版が分かれた

台帳を作業の手順ごとAIに読ませる形にしたので、私以外の担当者でも回るかを試しました。

最初に、別の同僚に台帳を渡し、その人のClaudeに1本作らせました。機能リファレンスは登録・公開まで進みました。ただ、その間に私の側でも台帳に追記していたので、同僚が返した版と、私のClaudeが持つ版の二つに分かれました。

そこで、ルールを一つ足しました。最後に作業した人が返した版が、正。ロックの仕組みはありません。ファイル名の版番号だけで、同時に触らないという決めごとです。

10本を足し終えたあと、正林くんにv106を渡しました。彼のClaudeは台帳だけを読んで作業し、同じ日のうちに新規5本を作って版を返してきました。私のClaudeが中身を確かめ、版を上げました。正林くんは作業の途中で、台帳の決まりの誤りをひとつ見つけ、直して返してきました。

これで回っています。ただし、直列だからです。同時に二人が台帳を触れば、その時点で版が分かれます。人数が増えたら、たぶんファイルより先に、IDの採番が壊れます。

今回の作業で分かったこと

増やすときに守るのは、IDの体系だった

127本を書かせたときは、書く量が問題でした。増やすときに残った仕事は、辻褄合わせです。関連リンクも、まとまりも、FAQの根拠も、IDにぶら下がっていました。全部を等しく守ろうとせず、IDの体系だけを守れば、残りはついてきました。

IDの振り方は、AIが決まりどおりに振れる形にしておく

IDに意味を持たせると、守るのが面倒になります。うちはそこをAIに任せ、いまのところいい結果が出ています。任せられたのは、IDを台帳の列から機械的に作れる決まりにしてあったからです。逆に、画面の名前を確かめずに振らせたときは、IDがずれました。決まりに材料が足りないところで、AIは推測で埋めます。

AIへの指示は、作業の台帳の中に置き、困ったことで育てる

指示を台帳の中に置いたので、台帳を渡すだけで、別の担当者のAIでも同じ手順で作業できました。迷った点は困ったことシートに残し、次の版で決まりにしました。IDの件はそうして決まりになり、版が分かれた件からも「最後に作業した人が返した版が、正」という決まりができました。

ただ、版のロックは決めごとでしかありません。規模が大きくなったら、IDを守るための別の道具を考えたほうがいいと思います。