前回までのあらすじ

製品の事実を、機能リファレンスとして127本のページにしました。製薬会社向けには、AIのインタビューに答えて19問のQAを作りました。そして前回、用途別のLPを16本公開しました。

この記事は、19問と16本のあいだにやっていたことの話です。

ページが長くて、たどり着けない

製品ページの中ほどに、機能リファレンスへの導線を追加しました。ところが、そのとき公開していた製品ページには、セクション——説明や売り文句——を足し続けてきた歴史があります。「使う人」「どう使えるのか」「何ができるのか」。ページの文量を増やそうとして、足してきたものです。

せっかく導線を足したのに、そこまでが長い。自分で読んでも、リズムが悪い。

前から、整理したいとは思っていました。まず、引くことから始めました。

大量の売り文句を、ざくっと消した

製品ページのフォームには、252個の項目がありました。その多くが、売り文句のための項目です。昔のFAQ量産で作った問答。「他社との違い」の比較表。図解。表示をやめた後も、データだけ残っているものもありました。

まとめて消して、252個は90個になりました。残った90個の中身は、こういう項目です。

  • ページ上部の見出しとリード文
  • 製品の作りを説明するタイルの見出しと本文
  • 機能リファレンスのどの束を一覧に出すか、の指定
  • FAQにどの問答を出すか、の指定
  • お問い合わせの文言

つまり、いまのページを実際に組み立てている項目だけが残りました。

中身を、最低限に絞り込んだ

この90個で、9つの製品ページを同じ形に組み直しました。最終的には営業トークになっていた説明を、最低限に絞り込みます。ページは上から4段です。

  1. どんなサイトに向いているか(3文だけ)——読者が「自分のサイトの話か」を最初に判断できるようにするためです
  2. どういう作りか(タイル5枚)——機能名の羅列ではなく、writeWiredの作りそのものを伝えるためです
  3. 機能リファレンス——事実の一覧へ、ここから入ってもらうためです
  4. FAQ——導入前によく聞かれることを、その場で解消するためです

1段目の3文は、書き方が決まるまで何度も直しました。たとえばCMSのページはこうです。

一つの情報を使う場所が多いサイトほど、writeWiredのCMSは向いています。製品情報や資料は、ページにも、メールにも、外部のシステムにも出ていきます。コンテンツを文章ではなくデータとして持つ作りなので、出口が増えても、修正は一か所で済みます。

9ページ分の赤入れで、小さなルールがいくつも決まりました。

  • 「〜に向いています」と言い切らない。それ以外のサイトには向かない、と読めてしまうからです。「〜ほど向いています」の形にします
  • 「少人数で更新している」のような人数の形容は書かない。少人数が何人かは、受け手によって変わるからです

詳しい話は、QA集に移した

製品ページを事実だけに絞ると、「うちの場合はどうなのか」という読者の疑問には答えてくれません。

その受け皿として、「会員サイトに必要なこと」など、用途別のQA集を作ることにしました。ある用途を検討している読者の質問に、1問1ページで答え、それを用途ごとにまとめたものです。最初に作ったのが、製薬会社向けの19問でした。AIに読者役で質問させて、私が答える。この作り方は第10回に書きました。

次に、会員サイト向けのQA集を作りました。ここで発見がありました。19問のうち14問は、製薬の言葉を一般の言葉に直すだけで、会員サイトの答えとしてそのまま使えたのです。新しく答えたのは、追加の質問5つから作った4問だけ。18問が、赤入れなしでできました。

つまり、一度ちゃんと答えたものは、使い回せる。データベースの正規化と同じです。

LPは、一時間でできた

分離されたQA集が答えを受け持つので、LPは軽く作れます。LPに載せるものが、決まっているからです。

  1. どんなサイトに向いているか(3文)
  2. その用途で使う機能のタイル
  3. QA集と機能リファレンスへのリンク

製品ページと同じ部品を、用途に合わせて選んで並べるだけです。答えそのものは、LPには書きません。

多拠点サイトのときは、AIのインタビューに私が答える形で進めた12問のQA集の作成に、半日かかりました。ところが次の「多店舗採用サイト」は、QA集もLPも、インタビューなしで一時間でした。機能リファレンスの127本の事実と、それまでに答えてきたQA集から、AIが組み立てられたからです。

ここで線を一本引いています。AIに想像させていいのは場面、想像させてはいけないのは能力。「この機能は採用サイトでこう使える」は場面なので、任せます。「こんな機能がある」は能力なので、127本の事実にないものは書かせません。

三層になった

出来上がった構造を表にします。

中身
事実 機能リファレンス 127本
QA集 「◯◯サイトに必要なこと」(会員18・医療19・多拠点12・多店舗採用12) 61問
入口 用途別LP 19本

LP19本の内訳は、会員・医療の2本、多店舗採用の1本、そして前回の16本です。

売り文句をやめて、質問に答えることにした

この期間にやったことを一言でまとめると、こうなります。製品ページから売り文句を消して、事実だけを残した。その代わりに、読者の質問に答えるQA集を用途別に作った。LPは、そのQA集と事実への入口として並べた。

売り文句は、こちらが言いたいことです。QA集は、読者が知りたいことです。ページの主役を、前者から後者に入れ替えました。

次回は、この三層をそのままPDFにした話——カタログの話をします。