このブログは、自社のCMS「writeWired」のサイトを、AIと一緒に作り直してきた記録です。この記事で書くのは、2026年7月に、作り直しの方針を決めたところまでです。方針を考える途中で、Claudeとも話しています。
やりたかったこと:AIで作った記事ではなく、製品そのものを知ってもらいたい
AIで作った記事は、「〇〇とは」の延長だった
ここまで、AIを使ってサイトのコンテンツをたくさん作ってきました。自社の記事をAIでリライトする、AIに記事を書かせる、記事からFAQを自動で作らせる、といったことです。
振り返ると、作った記事のほとんどは「〇〇とは」と用語を説明する記事の延長でした。読んだ人は「ふーん」と一読して離れていきます。自社製品を知ってもらうことには、直接つながっていませんでした。
この頃には、検索順位を上げるための記事づくりはやめていました。ただ、検索を捨てたわけではありません。製品を探して検索した人が最後にたどり着くのは、製品ページです。効果を出すなら、そこを良くする必要がありました。
製品ページは、文章を足しても良くならなかった
writeWiredは機能の多い製品で、機能を紹介するページが10ページ近くありました。ページごとに文章を足していく方法も考えましたが、長くなるほど読みにくく、難しくなるだけです。ページ単位で直すいい案がありませんでした。
こうやってみた:製品ページの構成を見直し、順番を逆にした
製品ページは「売り文句→補足→機能の一覧」になっていた
あれこれ考えるうちに、自社の機能ページが次の構成になっていることに気がつきました。同じ構成の製品サイトは多いと思います。
- ①すごいでしょ(製品の売り文句)
- ②こんな風にすごい(売り文句の補足)
- ③こんな機能もあるよ(機能の一覧)
- お問い合わせはこちら

検索向けに直すなら、①と②を磨くのが普通でしょう。でも、①と②は根拠を示さない主張です。どこの製品も似たような書きぶりになり、読む人には結局、その製品の何がいいのか分かりません。
③の機能の一覧は、機能が多いのでさらりと並べ、興味があればお問い合わせへ、という扱いでした。私は、この③こそが製品を説明している部分で、読者が欲しい情報なのではないかと考えました。
③から作れば、製品の説明になるのではないか
製品ページは、①→②→③の順に作るのが普通です。これを逆にして、③→②→①の順に積み上げれば、根拠のある説明でページを組み立てられるのではないか、と考えました。
単純な機能1つでも、それが何をするもので、どんな場面で使えるのかを書けば、1ページになります。そのページがそろえば、機能のまとめや、業務ごとの案内といった上のページは、文章を新しく書くのではなく、機能のページを参照して束ねることで組み立てられます。
機能1つを1ページにして、関連付けでつなぐ
機能1つを、それだけで意味の通る1ページとして書く。ページ同士を関連付けでつなぐと、機能から機能へ横にたどれる道ができ、情報のネットワークになります。

1ページを「フラグメント」(断片)と呼び、このやり方を「コンテンツのフラグメント化」と名付けました。
どこで1ページを区切るかも決めました。管理画面の1画面を、1ページにします。それまでの機能紹介には、AIの学習用コンテンツの8つの種類を「8種類あります」と1ページにまとめたものがありました。私がこれを悪い例として挙げると、Claudeは、まとめた時点でそれは機能の目録ではなく要約になり、8種類それぞれについて調べに来る人の入口を1つに潰している、と整理しました。そこで、1画面を1ページにすることを原則にしました。
量が増えても、AIが画面を読んで書ける
1機能1ページにすると、ページの数は膨大になります。人の手で書いていたら終わりません。
それでも始めると決めたのは、AIが管理画面のキャプチャを読んで文章にできたからです。Claudeの「画像読めばわかるのでいけるよ」という一言が、この方針を考え始めたきっかけでした。人が書くと、どうしても売り文句が混じります。画面に写っている事実をAIに書かせれば、量の問題と誇張の問題の両方に手が打てます。
その後
この方針で、管理画面の機能を1画面1行の一覧に棚卸しし、AIに画面のキャプチャを読ませて書かせました。7月27日に127本を「機能リファレンス」という名前で公開しています。たとえば今の「ディレクトリ管理権限」のページは、こう始まります。
製品ごとに更新担当が違う、部門が管理するページの範囲を分けたい。
ディレクトリ管理権限では、管理画面のユーザーに対して、場所ごとの許可を設定できます。
売り文句はなく、使う場面と、その画面でできることだけが書いてあります。製品ページの③にあたる部分が、こうした1ページずつの集まりになりました。
今回の作業で分かったこと
製品が伝わらないときは、記事を増やす前に、製品ページの組み立て順を疑う
AIで記事を増やしても、製品は伝わりませんでした。足りなかったのは記事の数ではなく、製品ページの中身でした。製品ページは、根拠のない主張から書き始め、根拠になる機能の説明を最後に軽く並べる構成になっていました。文章を足しても良くならなかったのは、足す場所がこの構成の上だったからです。
主張から書かず、確かめられる事実から積む
③から積むと決めたことで、書くものが「すごさ」から「この画面で何ができるか」に変わりました。これなら、画面と照らせば正しいかどうかを確かめられます。主張はそのあとで、事実を参照して組み立てればいい、という順番です。
1ページの区切りを先に決めておくと、AIに大量に書かせられる
1機能1ページ、1画面1ページと区切りを先に決めたので、AIに渡すもの(画面のキャプチャ)と返してほしいもの(その画面の説明1ページ)がはっきりしました。量が多くても、AIに任せる作業の形が一つに決まります。どう書かせ、どう確かめたかは、このあとの作業になりました。