この記事の作業は、ChatGPTとClaudeの二つのAIと一緒に進めています。

前回までのあらすじ

前回の記事では、用途別のページ20本に、誰のどの仕事が楽になるかを説明する章を載せました。章を選ぶ前に、その下にある機能の選び方から直した話です。

章はそろいました。でも、ページとしてはまだ足りないものがありました。

LPなのに、説明ページだった

用途から探すのページは20本あります。多拠点の企業サイト、取引先ポータル、申請の受付、採用サイトなどです。

どのページも、書いてあることは正しいです。機能の事実から作っているので、嘘はありません。ただ、読み返すと具体性がありませんでした。「こういう機能があります」が並んでいるだけで、読んだ人が「うちでも使えそうだ、相談してみよう」と思う理由がどこにもない。LPのつもりで作ったのに、説明ページになっていました。

足りないのは二つでした。

  • 現場感: その仕事をしている人が、実際に何に困っているか
  • 導入の動機付け: だからこの製品を選ぶ、という筋道

この二つは、機能の事実をいくら並べても出てきません。

AI同士に、導入の相談をさせた

そこで思いついたのが、AI同士に話をさせることでした。

  • ChatGPT: 導入を検討している現場の担当者。業種と仕事の条件だけ渡して、気になることを質問してもらう
  • Claude: writeWiredの説明係。答えの根拠は、機能リファレンス・FAQ・QA集・導入事例の4つに限る。そこに書いていないことは「未確認」と答える

質問は事前に用意しませんでした。答えを聞いて次の疑問が出る、その流れが現場の会話に近いと思ったからです。ChatGPTが「これで決められる」と言うまで続けました。

私の仕事は、二つのAIの間で往復を運ぶことです。運ぶ途中で、Claudeの答えに事実と違うところがあれば戻しました。権限の分け方や、CSV取込の新規と更新の違いなど、製品の実際の動きを補うのも私の役目でした。

項目 結果
回した回数 20回(用途ページ1本につき1回)
やり取り 126問
見つかった記述不足 第1回だけで4か所。事実を足してから答え直させた
見つかった製品の課題 3件。改修につながった

会話の途中で、Claudeが答えに詰まることがありました。調べると、機能リファレンスやFAQに書くべき事実が抜けていました。その場合は、先に事実を足してから答え直させています。ページを作るつもりで始めたのに、事実の側の穴埋めと、製品の改修のきっかけまで見つかりました。

具体的な問題は出た。でも、導入したくならない

20回分の会話から、業務上の具体的な問題を洗い出せました。「取引先ごとに見せる価格表を変えたい」「拠点の担当者には自分の拠点だけ触らせたい」といった場面です。

ただし、これは現場の取材ではありません。AIが演じた担当者の悩みが、そのまま実際の担当者の悩みだとは限りません。会話は、業務上の問題を検討するための仮説を出す道具でした。

そのうえで、この材料でページを書かせると、どうしても冗長な説明で終わりました。問題を挙げて、機能で答えて、また次の問題。正しくて丁寧ですが、読み終わっても「だから選ぶ」にたどり着きません。

構成だけは、人が決めた

ここで、私がLPの構成案を作りました。20本すべてを、同じ順番で組み直すための型です。

  1. ○○とは(その用途のサイトが何をするものか)
  2. writeWiredで構築する(どう作るか)
  3. よくある困りごと(会話から洗い出した業務の場面)
  4. なぜwriteWiredか(選ぶ理由)
  5. 実績
  6. 締めと相談の案内
  7. ほかの用途での活用例

会話の材料は、3の「よくある困りごと」に入れました。

この型で一番大事だったのは、3と4を分けたことです。困りごとに答えることと、製品を選ぶ理由を示すことは別でした。ある仕事ができると分かっても、それだけでは、なぜwriteWiredを選ぶのかは伝わりません。3で「その困りごとはこう解ける」を示し、4で「だからこの製品を選ぶ」を示す。選ぶ理由だけを書く章を独立させたことで、導入の動機付けの部分がやっと書けるようになりました。

今回、AIに任せてもうまく決まらなかったのは、文章の表現よりも、ページ全体で何を先に伝えるかという構成でした。方向が決まると、あとはAIが埋めてくれました。

会話は、載せなかった

ChatGPTからは、会話そのものを読み物として公開する案も出ました。二人で検討して、やめました。

会話の多くは、担当者の思い込みや、楽をしたい気持ちを正していく形になります。例も極端になりやすい。読み物にすると「そんな担当者はいない」という話になってしまいます。

会話はページの材料と、事実の穴を見つける道具として使いました。それで十分でした。

AIは、説明は得意で、営業は苦手

やってみて一番感じたのは、今回の使い方では、AIは説明は得意だけれど、営業的な文章を作るのは苦手だった、ということです。製品の事実を整理して、分かりやすく説明するのは上手です。でも「だから、あなたの会社はこれを選ぶといい」という筋道は、なかなか自分からは立ててくれませんでした。

二つのAIにも向き不向きがありました。Claudeは緻密で真面目です。ChatGPTは発想が豊かです。そこで、役割を分けることにしました。

  • ChatGPT: 元ネタからの原稿書き
  • Claude: 照合。言っていることがwriteWiredの機能として本当にあるか、根拠があるか、嘘になっていないかを確かめる

書く役と照合する役を分けることで、発想を広げながら、根拠のない記述を見つけやすくなりました。ただし、照合する側も根拠を読み落とすことがあります。最後の判断は私がしています。

作り直した20本

作り直したページは、用途から探すから見られます。たとえば多拠点企業サイトや取引先ポータルです。

この20本で問い合わせが増えたかどうかは、まだ分かりません。簡単ではありませんでした。でも、AIに役割を与えて会話させ、何を採用して何を載せないかを人が決めれば、説明ページを選ばれるためのページに近づけられる。今回はそこまで来ました。

この20本を作り直したことで、サイト全体がどういう層でできているのかも、やっと一枚の図にできました。次回はその話を書きます。