メインとなるコンテンツページの種類により管理方法を決定します。大きくは下記のように分類できます。
4.表示するコンテンツと表示に利用されるコンテンツの分類
ページの構成内容により、1コンテンツに登録しきれずに他のコンテンツをパーツとして利用する場合も多くあります。
例えば、サイドエリアに表示する「製品のお問合せ」が複数種類あり、表示するコンテンツにより、どの「製品のお問合せ」を表示するか選択形式にする、などです。コンテンツで選択して「製品のお問合せ」のコンテンツの中身を取り込んで、常に最新の「製品のお問合せ」を表示することができます。
「製品のお問合せ」のようなマスターとして、あるいはコンテンツ自体がパーツとして利用されるものを分類してコンテンツを設計します。
もっとも労力のかかる重要な作業です。この設計がうまくいかないとテンプレートを作成時に項目が足りないなどの後戻りが発生するので、正確に行う必要があります。
サイト全体のページで構成要素を分解して、ひとつひとつの項目までブレークダウンします。分解する粒度、レベルは設計するサイトによって違います。
注意するのは、サイトデザインを忠実に再現する必要がある場合、HTMLの構成を理解して設計した項目に入力してHTMLを作れるか、ということといってもいいでしょう。例えば、名前でも「姓名」なのか、「姓、名」なのか、などです。特にワイヤーフレームの時点ではひとつの項目のように見えたとしてもHTMLが出来上がってくるとタグで複数の項目に分解されてデザインされている場合、同様に項目を分けないとHTMLを作ることができません。
項目にはID、入力できる文字の型(英数字、文字、数字など)、入力形式(単一行、複数行、選択、択一など)、文字の長さ、画像の場合は縦横サイズ、容量、すべてを決定します。ほとんどの場合、登録された情報をコンテンツに出力する場合、IDを使うことになるのでネーミングルールを決めておきましょう。
サイトの規模、構成にもよりますが、過去の経験だと、100以上の項目を持った共通パーツが数十個ある、というケースも珍しくありません。
注意することは「5.コンテンツ要素の共通パーツの設計」と同様ですが、単体ページだけに注力できるので、比較すると多少楽かも知れません。作成する設計資料は「5.コンテンツ要素の共通パーツの設計」とほぼ同じものになります。
コンテンツ管理は「何をどのように登録管理するか」ということではないかと思います。アウトプットに必要な要素を正確に調べ、それに対応したインプットを適切に設計し、入力できる箱を作る。表示する情報があれば、テンプレートを開発することで適切に表現できますし、インプットをデザインと切り離して管理することで再利用することが出来ます。
ここまで、細かなコンテンツ管理についてご説明してきましたが、どこまでやるかは費用対効果をきちんと考えて決めましょう。
例えば、紙面のようなレイアウトのページでも頻繁に更新されないのであれば、都度制作会社に頼んだほうが費用を抑えることができますが、そのようなページがサイト立ち上げ時に数百ページあり継続して増えていく場合はCMS化したほうがコストを抑えられる場合があります。
頻繁に更新されない紙面のようなレイアウトのページ
CMS化した場合 : 30万(開発費、更新は自社)
都度制作会社に依頼 : 12万(三ヶ月に一回依頼。一回単価1万として3年分)
製品カタログのような頻繁に更新され、量の多いページが100ページ。
CMS化した場合 : 30万(開発費、量産は自社で)
都度制作会社に依頼 : 200万(ページ単価2万)
構築したいサイトの目的によって使うツールも変わります。会社概要、サービスなどの頻繁に更新されないページと、お知らせは頻繁に追加したいというサイトなのであれば、今回ご紹介したような構造化CMSは高い費用を使って導入しても効果はないと思います。このようなサイトの場合は静的ページ+Wordpressのようなツールが最適だと思います。
一方で、上のように製品カタログのようなページが大量にあるサイトをのブログ系のCMSで構築するのは無理があります。初期費用は抑えられるかも知れませんが、コンテンツ制作時にデザインと同じHTMLを入れていく必要が出てくるので、知識のない人にそれを登録する労力を強要するか、あるいはもともとのデザインとはかけ離れたページが大量に生産され、決して成功とはいえない結果になるでしょう。