従来のCMSはコンテンツを登録する管理画面つまりバックエンド、またサイト上で公開するためにコンテンツを特定のHTMLフォーマットに加工したものを出力するフロントエンドの二つの機能で構成されています。この二つの機能が揃いCMSとして機能するため、これら従来型のCMSは「カップルドCMS (結合したCMS)」と呼ばれます。
一方で「ヘッドレスCMS」とは、このバックエンドのみを持ちフロントエンドの機能は持ちません。フロントエンドのことをヘッド、と呼ぶため「ヘッドレスCMS」と呼ばれます。また、バックエンドとフロントエンドが結合していないため「デカップルドCMS (結合していないCMS)」と呼ばれます。
つまり、ヘッドレスCMSとはコンテンツを登録する機能だけを持つCMSのことを意味します。ヘッドレスCMSは特定のフォーマットに出力する機能の代わりに、APIベースでコンテンツを取り出す機能を提供します。
ヘッドレスCMSを利用するデベロッパーは、JSONフォーマットのAPIを経由してコンテンツを取得し、自由度高く自社のサービスを開発することが出来ます。JavaScriptだけでなくphp、Swiftなどのサーバーサイドの開発言語を使ったサービス開発も容易になり、既存のアプリケーションから、コンテンツ管理システムの複雑な内部構造を意識することがなくCMSを利用することができます。
ただし、これは開発の難易度が下がることを意味しているわけではありません。CMSが提供していたフロントエンド機能とは別のフロンドエンド機能を、その言語に精通したデベロッパーが開発をする必要があることには変わりはありません。ある意味では技術的難易度は高くなるといってもいいでしょう。しかし、ヘッドレスCMSを利用することにより、CMS自体が持つフロントエンド機能の制約を受けなくなることは確かです。
Webサイトの1ページとして管理される、従来のCMSが持つコンテンツ管理機能とは違い、PC、スマートフォン、タブレットなどのデバイスを超えてコンテンツを利用できるなどのメリットから、ここ数年、ヘッドレスCMSは大きな期待が寄せられています。しかし一方で、ヘッドレスCMSには従来のCMSでは当たり前とされていた機能が欠けている部分があり、誰もがすぐにヘッドレスCMSに切り替える方が良いというわけではありません。
ヘッドレスCMSの持つメリットの反面、上手くヘッドレスCMSを利用するにはクリアするべき特性、デメリットもあり、それらを踏まえた上で、ヘッドレスCMSの採用を検討するべきでしょう。ヘッドレスCMSが持つデメリット(ネガティブに受け取られる特性)として、すでに、以下のようなものが挙げられています。
ヘッドレスCMSは単純に従来のCMSを置き換えることが出来る、といった夢のツールではありません。コンテンツ管理に対する、従来CMSとは明確に違うアプローチ方法です。
不用意に導入しても、ビジネスオーナーの視点ではコストが増えたという風に映る結果に終わるかも知れません。しかし、従来CMSで抱えている課題が、ヘッドレスCMSのメリットに合致するのであれば、最善の効果を期待することも出来るでしょう。
いずれにしても、企業の目的と従来型CMSとヘッドレスCMS各々が持つメリット、デメリットを照らし合わせて、慎重に検討することが成功への鍵と言えます。
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