編集する人が増えると、何が起きるか
更新する人が2人なら、お互いに声をかければ済みます。10人、20人になり、部署も場所もばらばらになると、事故の種類が変わります。
- 他部署のページを、自分の部署のページだと思って直す
- 似た名前のページを、間違えて消す
- ページの見た目を決めている部分(ひな形や共通の設計)を触って、サイト全体の表示を変えてしまう
- 誰が直したのか、なぜ直したのかが、担当部署に伝わらない
注意を呼びかけても、人が増えるほど事故は減りません。触れる範囲を、仕組みの側で分けます。
場所で分ける
いちばん分かりやすいのは、サイトの中の場所で分けることです。
- 製品部門は製品のセクション
- 人事は採用のセクション
- 各支店は、それぞれの支店のセクション
こうするには、サイトの構成と担当の分け方がそろっている必要があります。一つのセクションに複数の部署のページが混ざっていると、場所で分けることはできません。権限を分けようとして、構成の見直しから始めることになる場合もあります。
中身と器を分ける
ページには、中身(文章、画像、表)と、器(ページの型、レイアウト、入力項目の設計)があります。
中身を直す人は多く、器を直す人は少なくてよいはずです。器を変えると、その器を使っているすべてのページの表示が変わるからです。ページの文章を直せる人全員が、器まで触れる必要はありません。
見ることと、直すことを分ける
担当外のページを「見る」必要がある人はいます。関連する部署のページを参考にする、内容の重複を確かめる、上長として部下の更新を見る。見るだけの人に、直す権限まで渡す必要はありません。
見る範囲と、直す範囲を別々に決めておきます。
| 見る | 直す | |
|---|---|---|
| 自分の部署のページ | できる | できる |
| 関連する部署のページ | できる | できない |
| それ以外 | 必要に応じて | できない |
権限と承認は、役割が違う
権限は、誰が何を触れるかを決めます。承認は、触った結果を公開してよいかを誰が決めるかを定めます。
「上長だけが公開できる」を、権限で実現しようとすると、上長が編集もすべて引き受けることになりがちです。編集は担当者が行い、公開の前に上長が承認する、というように分けたほうが、それぞれの役割がはっきりします。
分けすぎると、今度は動けなくなる
権限を細かく分けるほど、安全に見えます。ただ、分けすぎると別の問題が出ます。
- 担当者が休むと、その範囲を誰も直せない
- ちょっとした修正のたびに、権限を持つ人を探して頼むことになる
- 権限の組み合わせが人ごとに違ってきて、誰が何を触れるのか、管理する人にも分からなくなる
分ける単位は、部署やセクションくらいの大きさにとどめます。担当者が不在のときに誰が代わるかも、あわせて決めておきます。
writeWiredでは
writeWiredでは、触れる範囲を、ユーザーごとの権限でいくつかの軸に分けて設定します。
- ディレクトリ管理権限:ディレクトリ単位で許可を付け、担当の範囲を場所で分ける。権限のないディレクトリのコンテンツは一覧に表示されず、書き込み権限がなければ閲覧だけになる
- コンテンツ管理権限:許可・閲覧範囲・編集の3つ組で設定する。閲覧範囲は、自分のみ・所属部署・指定部署・すべてなどの段階から選ぶ
- テンプレート管理権限:テンプレートを触れる人を、コンテンツの制作者とは別に絞る。コンテンツを編集できることと、テンプレートを触れることは、別の権限
- 表示フォーム権限:表示フォームの設計を編集できる人を、フォームごとに限る
コンテンツの検索と一覧では、操作列に「編集」と「閲覧」が並びます。これはユーザーの権限の差が、そのまま画面に出たものです。同じ画面でも、ユーザーによって出る操作が変わります。
場所で分けるのは、ディレクトリ管理権限です。サイトの構成と担当をそろえておけば、ディレクトリごとに担当の範囲を決められます。中身と器を分けるには、テンプレート管理権限と表示フォーム権限を、コンテンツを編集する人とは別に絞ります。見ることと直すことは、コンテンツ管理権限の閲覧範囲と編集で分けて決めます。
承認は、権限とは別の仕組みです。承認フローは組織の定義で、権限(何を操作できるか)とは独立しており、承認の体制だけを入れ替えられます。編集は担当者の権限で行い、公開前の確認は承認フローで上長や関係部署に回す、という分け方ができます。
誰にどの範囲を任せるかの判断は、この仕組みの外側で決める運用です。
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