よくある質問のページが、読まれない理由
よくある質問のページは、問い合わせを減らすために作られます。それでも、ページに答えが書いてある問い合わせが届きます。
- 言葉が合わない:ページは会社の言葉で書かれ、探す人は自分の言葉で探す。「解約」と書いてあるのに、「やめたい」で探している
- 量が多い:質問が100件並ぶと、上から読む人はいない
- 答えが1か所にない:手続きはFAQに、条件は料金のページに、例外は規約のPDFに書いてある。組み合わせないと答えにならない
- 探すより聞くほうが早い:問い合わせフォームが目の前にあれば、探す前に聞く
対話で答える窓口は、このうち「言葉が合わない」「量が多い」「答えが1か所にない」の手当てになります。聞く人は自分の言葉で聞けます。複数のページに分かれた情報を、質問に応じて探して答えに使える仕組みもあります。
対話に向く問い、向かない問い
何でも対話で答えればよいわけではありません。
| 向く問い | 向かない問い |
|---|---|
| 手続きの流れ、必要な書類 | 個別の契約内容、見積、請求 |
| 製品やサービスの仕様、対応範囲 | 本人確認が要ること、個人情報に関わること |
| 資料や窓口の場所の案内 | 判断や診断を求められること |
| 複数のページにまたがる事実の組み合わせ | 在庫、障害の状況など、刻々と変わること |
| 業種のルールで、個別の相談に答えてはいけないこと |
向かない問いが来たときに、どう振る舞うかを先に決めておきます。答えないこと自体は、失敗ではありません。
答えの根拠を、自社の情報に寄せる
生成AIに自社の情報を与えず、自社の製品の仕様や手続きについて質問すると、実際の仕様とは違う内容でも、それらしい答えを返すことがあります。その答えは、文章としては自然です。読む側には、正しいか間違っているかが分かりません。
そこで、答えの材料を自社の情報に寄せます。自社のページや資料をあらかじめ知識として渡し、質問に近い部分を探して、それをもとに答えさせる方式です。
ただし、材料を寄せても、誤りが消えるわけではありません。材料の読み違い、材料どうしの食い違い、材料にないことを補って答えることは起こり得ます。「自社の情報をもとに答える」は、誤りを減らす方法であって、正しさの保証ではありません。
答えられないときの設計
対話の窓口で大事なのは、答えるときより、答えられないときです。
- 知識にないことを聞かれたら、分からないと答える
- 向かない問いが来たら、問い合わせフォームや電話の窓口へ案内する
- 答えに自信がないときは、根拠のページを読むよう勧める
- 急ぎや緊急の連絡先は、対話の外に常に見えるようにしておく
どの問いを、どこへ案内するのか。窓口の一覧を先に作っておくと、ふるまいを決めやすくなります。
答えを、利用者が確かめられるか
答えの下に根拠のページを示す方式もあれば、示さない方式もあります。示さない場合、利用者は答えが正しいかを自分では確かめられません。大事な手続きや条件については、対話の答えだけで完結させず、正式なページや窓口で確かめるよう添えておきます。
知識は、元の情報と一緒に古くなる
対話の窓口が答えに使う知識は、元のページや資料から作られます。元のページを直しても、知識のほうを作り直さなければ、窓口は古い内容で答え続けます。価格改定や手続きの変更のあとに、古い答えが出るのは、利用者から見れば誤りと同じです。
ページを更新する手順の中に、「知識を作り直す」を入れておきます。誰が、どの更新のときに作り直すのかを決めておきます。
対話の記録を読む
対話の記録は、利用者が何を知りたがっているかの記録でもあります。
- よく聞かれるのに、サイトに答えが書かれていないこと
- 答えたが、間違っていたこと
- 会社の言葉と、利用者の言葉の違い
- 向かない問いが、どれくらい来ているか
記録を定期的に読み、FAQやページのほうを直していきます。対話の窓口は、置いて終わりではなく、サイトの情報を直すための入口にもなります。
始める前に、FAQそのものを整える
自社について正しく答えさせるには、答えの材料にする自社情報そのものが整っている必要があります。
- 古いFAQ、終わったキャンペーンのページ、改訂前のPDFが残っていないか
- ページどうしで、同じことについて違うことを書いていないか
- 知識に含めるページと、含めないページを決めたか
材料が食い違っていれば、窓口も食い違った答えを返します。窓口を置く前の棚卸しが、答えの質をいちばん大きく左右します。
writeWiredでは
writeWiredでは、サイトのコンテンツを知識にして、対話に答える窓口を作ります。
Chat(チャットボット)
- 登録したコンテンツを知識にして、サイト上の対話に答える
- 知識にする学習コンテンツを指定する
- 応答のふるまいを、指示で決める
- 回答に参照元のページは表示しない
- 対話の記録は残る
Embedding(ベクトル化)(知識のもと)
- 対象のコンテンツを指定してベクトル化し、意味での検索に使う
- 分割のサイズを決める
- ライブラリのPDFを対象に含める
- ベクトル化した知識は、Chatから参照する
学習コンテンツの一覧
- 登録済みの学習コンテンツを、処理タイプと状態で一覧する
- 状態と使用中の表示を確かめる
答えの根拠を自社の情報に寄せる部分は、知識にするコンテンツとPDFを選んでベクトル化することにあたります。何を含め、何を含めないかは、この選び方で決まります。知識にないことを聞かれたとき、向かない問いが来たとき、どこへ案内するかは、応答のふるまいとして指示に書きます。
回答に参照元のページは表示されません。利用者が答えを確かめられるよう、大事な手続きや条件は、正式なページや窓口で確かめる案内を、ふるまいの指示やサイトの側で添えておきます。
知識は、元のコンテンツを更新しても自動では作り直されません。更新したときは、管理画面からベクトル化のバッチ投入を指示して、知識を作り直します。ページを更新する手順の中に、この作り直しを入れておきます。
対話の記録は残るので、よく聞かれること、答えられなかったこと、利用者の言葉を読み取り、FAQやページのほうを直す材料にできます。
回答の正確さを保証すること、有人の窓口へ引き継ぐことは、この仕組みの外側にある運用です。
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