会員サイトの必要性、メリット、デメリット

BtoBビジネスにおいて、企業間の信頼関係は欠かせない要素です。デジタルトランスフォーメーションが進み、企業同士の情報交換やコラボレーション、関係の強化はさらに重要性を増してきました。会員サイトは企業と企業を結ぶ橋であり、パートナーシップやロイヤリティを強化する鍵を握っています。

会員サイトの目的

会員サイトとは、会員限定で情報やサービスを提供するウェブサイト（またはウェブサイトの一部）のことです。一般的なサイトは誰でも自由に見て回れますが、会員サイトは登録ユーザーのみが利用可能。企業がもつ価値ある情報や資源について、事前に会員登録済みの、特定の人たちに価値を提供することが目的です。

会員サイトが果たす役割

会員サイトは、企業間の情報共有をスムーズにします。ニュースリリースや製品の使用説明書など、パートナー企業や顧客に提供したい情報、提供すべき価値ある情報は大量にあります。情報はナマモノですから、状況の変化により使えなくなることもありますし、途切れることなく伝えたいことが発生しますよね。製品やサービスのFAQ、トラブルシューティングガイドなど、会員サイトに顧客のサポート機能をもたせれば、顧客は必要な情報にいつでも簡単にアクセスでき、問題を自己解決できるかもしれません。関係者同士の効率的な情報共有は難しい課題であると同時に、潤滑なプロジェクト進行に欠くことのできない要素です。

より難しい問題については、会員サイトにフォーラムやディスカッションボードを設置し、会員同士がコミュニケーションを取り、意見やアイディアを共有する交流の場として利用することもできます。共有の目的のため連携できるプラットフォームは、パートナーシップの深化・お互いのビジネスの成長にも影響を及ぼします。
 

会員サイトのメリット

1. 限定提供による優位性の確保
   企業は専門的な視点による情報やコンテンツをもっていますが、一般に公開すればその特別感はやや薄れてしまいます。「ここだけの話」「独占取材」「限定品」などのキーワードは無条件で人の目を引き付けるキラーワード。限定的な提供はそれだけでも価値を持っているのです。会員限定で独自の価値を提供するとで、競争優位性を維持できるわけですね。
    
2. 顧客との関係を強化し維持する
   会員サイトは、会員の属性や嗜好、行動履歴など、大量のデータを保有しています。顧客と向き合い相手の要望に応えるためには情報整理にもデータを利用して対策を考えることにも時間
   やスキルが必要ですが、会員サイト上でデータ分析を行い特定の相手むけにカスタマイズした会員サイトにできれば、効率的に情報提供できます。
    
3. 収集したデータの活用
   会員サイトがもつ会員情報は、会員サイト以外でも有効利用できます。製品の改善、新製品の開発にも大いに役立ちます。

会員サイトのデメリット

1. 構築・運営のコスト
   会員サイトの構築・運営と管理には、通常のウェブサイトに比べてコストがかかります。会員の情報を預かるため、セキュリティの強化が必要であるほか、蓄積したデータの分析やパーソナライズされたコンテンツの生成機能、会員のサポートといった要素が必要となるためです。
    
2.  会員獲得と維持のコスト
   お金も手間もかけずに閲覧できる通常のサイトと異なり、会員サイトには登録のハードルがあります。新規会員の獲得、現会員の維持は時間とリソースを必要とします。会員にならなければ情報の閲覧やサービスの利用ができない性質上、ハードルを超えて登録してもらうためには会員として利用するメリットのアピール、登録の手間を減らす工夫、再訪を促す仕組み、価値あるコンテンツとサービスを提供し続ける根気など、多方面にコストがかかります。

メリットを最大化し、デメリットを軽減する

会員サイトは、BtoB企業にとって貴重なリソースであり、クライアントやパートナー企業との関係強化に役立つ強力なツールです。それらのメリットを最大限に活用し、デメリットをうまく管理してビジネスを発展させていきましょう。